それからというもの、私は彼方くんと普通に接することができなくなってしまって、朝も顔を合わせるのが辛くてなるべく教室にいないようにしたり、お昼を一緒に食べようと誘われたり一緒に帰ろうと言われても、何かと理由を付けて断ってしまうようになった。
文化祭の準備で忙しいということにしていたけれど、あからさまに避けていることは彼にも伝わっていたと思う。
一度、『雪菜、最近元気ないけど何かあった?』なんてメッセージで聞かれたことがあったけど、私は結局彼に何も話すことができなかった。
だって、本当の理由なんて言えるわけがない。
あの時、こっそり彼の話を聞いてしまっただなんて……。
その後も彼方くんの態度は何一つ変わりなく今まで通りで、そんな彼を見ていると、やっぱり私のことが好きなんじゃないかって勘違いしてしまいそうになる。
彼方くんのことを信じちゃいけないとは分かっていても、彼の優しさに触れるたび、どこかでまだ彼を信じたいと思っている自分もいて。
できることなら彼に全部、本当のことを聞いてしまいたい。私のことは結局遊びで口説いていただけだったのかって。
でも、真実を知ってもっと傷つくのが怖い……。
今彼に面と向かって「本気じゃなかった」なんて言われてしまったら、立ち直れなくなってしまいそうで。
とても聞けない。あの話を聞いたことは、言えない。
だから、今の自分にはこうして彼を避けることしかできなかった。
文化祭の準備で忙しいということにしていたけれど、あからさまに避けていることは彼にも伝わっていたと思う。
一度、『雪菜、最近元気ないけど何かあった?』なんてメッセージで聞かれたことがあったけど、私は結局彼に何も話すことができなかった。
だって、本当の理由なんて言えるわけがない。
あの時、こっそり彼の話を聞いてしまっただなんて……。
その後も彼方くんの態度は何一つ変わりなく今まで通りで、そんな彼を見ていると、やっぱり私のことが好きなんじゃないかって勘違いしてしまいそうになる。
彼方くんのことを信じちゃいけないとは分かっていても、彼の優しさに触れるたび、どこかでまだ彼を信じたいと思っている自分もいて。
できることなら彼に全部、本当のことを聞いてしまいたい。私のことは結局遊びで口説いていただけだったのかって。
でも、真実を知ってもっと傷つくのが怖い……。
今彼に面と向かって「本気じゃなかった」なんて言われてしまったら、立ち直れなくなってしまいそうで。
とても聞けない。あの話を聞いたことは、言えない。
だから、今の自分にはこうして彼を避けることしかできなかった。



