そして、それだけ言い放つと、逃げるように教室を後にしてしまった。


行くあてもなく廊下を突き進み、角にある女子トイレの前まで来たところで、中にある個室に入り、そこで呼吸を整える。


どうしよう。なにやってんだろう、私。


これじゃ、あからさまに彼のこと避けてるみたいだ。


彼方くん、変に思ったよね、絶対。


だけど、じゃあ他にどうすればよかったの?


わからないよ。


もうわからない。何をどうしたらいいのか。


彼の本音を知ってしまって、これから自分がどうすればいいのか……。


なんだかもう苦しくてたまらなくて、そのまま個室の中でこっそり泣いてしまった。


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