そう言って、わざとらしく私の肌に触れてくる彼。


こうやって無駄にスキンシップが多いところは相変わらずだけれど、なんだろう、今は軽く嫌悪感のようなものを感じてしまう。


「も、もう大丈夫だから、離してっ……」


私が軽く拒むように彼から腕を離そうとしたら、陸斗先輩はそんな私を見て、困ったような顔で笑った。


「ははっ、なんだよ。そんなに俺のこと避けるなよ」


そう言われてハッとして顔を上げると、彼と目が合う。


そしたら陸斗先輩は私の目をしっかり見据えると。


「やっと俺の目見た。まったく、嫌われたもんだよなぁ。まぁ、全部俺が悪いんだけどさ」


「えっ……?」


思いがけない彼の言葉に、目を見開く私。


俺が悪い?なにそれ……。


っていうか先輩、私が避けてること、やっぱり気が付いてたんだ。


「いまさらかもしんないけどさ、あの時は、傷つけて悪かったって思ってるよ。でも俺、雪菜のことはほんとに大事な妹みたいに思ってるから」