【完】キミさえいれば、なにもいらない。

「そ、そんなことないよっ。彼方くんだって、じゅうぶん白いから」


恥ずかしくなって、思わずパッと手を下げたら、次の瞬間横から誰かに声をかけられた。


「よっ、雪菜！」


振り向くと、そこにいたのはお兄ちゃん。


「あ、お兄ちゃん！」


「遥先輩！」


彼方くんも反応する。



そしたらその後ろからなんと、陸斗先輩まで現れて。その姿を見た途端、思わず胸の奥がざわついた。


お兄ちゃんは私と彼方くんが一緒にいるのを見て、驚いたような顔をする。


「おぉ、誰かと思ったら、彼方じゃん！って何、まさかお前ら付き合ってんの？」


「え、ち、違うよっ……」


「ほんとかー？なんだよ雪菜、お前いつのまにこんなイケメンといい感じになってたんだよ～」


冷やかすようなことを言われて、返答に困る私。


するとそこで、その隣に立っていた陸斗先輩がニヤッと不敵な笑みを浮かべながら、彼方くんに声をかけた。


「へぇー、相変わらず仲いいんだな、君たち。昼飯まで一緒に食べてんだ」


彼方くんはそんな先輩に向かって、ニコッと笑いながら答える。


「ははっ、そうなんすよ。いつも一緒に食べてます」