そして、その場から私を連れ去るように、少し早歩きで歩き出した。


なんとも言えない複雑な気持ちのまま、彼方くんの一歩後ろをついて歩く。


さっきまであんなに楽しい気分だったのがウソのように、胸の奥がモヤモヤして、苦しい。


やっぱりダメだ。陸斗先輩に会うと、どうしても気持ちが沈んでしまうし、それが顔に出てしまう。


彼方くんはどう思ったかな。


あんなふうに言われて、彼だってきっと嫌な気持ちになったよね。


彼方くんの気遣いに感謝しつつも、見られたくないものを見られてしまったようで、すごく気分が悪くて。


そのまましばらく自分から彼に話しかけることができなかった。