「手、繋いでもいい?」
彼方くんが、上目遣いで問いかけてくる。
こんな状況でそんなふうに言われたら、断れない。
「……う、うん」
観念したように私が頷いたら、次の瞬間彼の手が、私の手を優しく包み込んだ。
再びドキンと脈を打つ心臓。
どうしよう。すごく恥ずかしい。手を繋ぐのが、こんなにも照れるだなんて思わなかった。
でもこんなの、彼方くんはきっと慣れてるから平気なんだろうな。
そう思って、隣にいる彼をそっと見上げてみる。
そしたらなんと、平気だと思っていた彼の顔が驚くほど真っ赤になっていて。よく見ると耳まで赤くなっていたので、意外すぎてビックリしてしまった。
ウソ……。どうしてそんなに照れてるんだろう。
彼方くんが、私の手を握りながらボソッと呟く。
「俺、もう、今日が永遠に終わらなかったらいいのにって思ってる」
「えっ……」
「夢見てるみたいだ。このまま雪菜の手、離したくない」
そんなふうに言われたら、ますます照れくさくてたまらない。
彼方くんはやっぱり、言うことが大げさなんだ。
だけど、決してそれが嘘に聞こえるわけではなくて。
心のどこかでそんな彼の言葉を、嬉しいと思っている自分がいた。
.
*
.
彼方くんが、上目遣いで問いかけてくる。
こんな状況でそんなふうに言われたら、断れない。
「……う、うん」
観念したように私が頷いたら、次の瞬間彼の手が、私の手を優しく包み込んだ。
再びドキンと脈を打つ心臓。
どうしよう。すごく恥ずかしい。手を繋ぐのが、こんなにも照れるだなんて思わなかった。
でもこんなの、彼方くんはきっと慣れてるから平気なんだろうな。
そう思って、隣にいる彼をそっと見上げてみる。
そしたらなんと、平気だと思っていた彼の顔が驚くほど真っ赤になっていて。よく見ると耳まで赤くなっていたので、意外すぎてビックリしてしまった。
ウソ……。どうしてそんなに照れてるんだろう。
彼方くんが、私の手を握りながらボソッと呟く。
「俺、もう、今日が永遠に終わらなかったらいいのにって思ってる」
「えっ……」
「夢見てるみたいだ。このまま雪菜の手、離したくない」
そんなふうに言われたら、ますます照れくさくてたまらない。
彼方くんはやっぱり、言うことが大げさなんだ。
だけど、決してそれが嘘に聞こえるわけではなくて。
心のどこかでそんな彼の言葉を、嬉しいと思っている自分がいた。
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