「し、信じらんねぇ。ウソだろ……。ギリギリ入れた」


片手で顔を押さえながら、感激する彼方くん。その隣で、なんだかホッとした気持ちになる私。


「すごいよ、彼方くん。おめでとう!」


思わず声を掛けたら、彼方くんはこちらを向いて満面の笑みを浮かべた。


「ありがと。すっげぇ嬉しい!」


そんな彼を見て、自分まですごく嬉しい気持ちになる。


必死の努力が報われて、本当に良かったなぁ。


「それにしても、超ミラクルだよな。まさか、ほんとに入れるとは思ってなかった」


彼方くんはいまだにその結果が信じられないと言った様子で、何度も順位の紙を見返している。


「私もびっくりした。でも、彼方くん頑張ってたもんね。努力の成果だよ」


私がそう言って微笑んだら、彼は一瞬ポッと頬を赤く染めて、それから私の名前を呼んだ。


「雪菜」


「ん?」


彼方くんが、そっと私の顔を覗き込んでくる。


「じゃあ、あの約束……本当にいいんだよな?」


その言葉に、ドキッと跳ねる心臓。


そうだ私、彼と約束してたんだ。


「夏祭り、俺と一緒に行ってくれる?」