【完】キミさえいれば、なにもいらない。

「ぶーっ!なによーっ、環は関係ないでしょ!」


「関係あんだよ」


「ちょっと……!」


そして黒澤くんはそのまま強引に鈴森さんをその場から連れ去っていったので、結局彼方くんは彼女に声をかけられたことに気付かないままだった。


イヤホンで音楽を聴いているとはいえ、すごく集中してるんだなぁ。


「彼方くん、すごいね。雪菜との約束のために頑張ってるみたいじゃん」


璃子に声を掛けられ、ちょっぴり照れくさい気持ちになる。


それになんだろう。一生懸命頑張っている彼の姿を見たら、少し嬉しくて。


「100位以内、とれるといいね」


璃子の言葉に思わず、「うん」なんて頷いてしまった自分がいた。


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