【完】キミさえいれば、なにもいらない。

正直達成はちょっと難しいと思うけれど、頑張ろうとしている彼の意志を無駄にはしたくないし、できればテスト頑張ってほしい。


私だって、彼と一緒にお祭りに行くのが嫌なわけじゃないし。


そんな彼がここまでして、私と一緒に行きたいって言うなら……。


「わかった。ほんとに100位以内に入れたら、いいよ」


あれこれ考えた挙句、少し戸惑いながらもOKすることにした。


「マジで、よっしゃ!」


その瞬間、ガッツポーズをして喜ぶ彼方くん。


そんなに大げさに喜んでくれるなんて。


でも、よくよく考えたらこれって、デートの誘いってことだよね?


そう考えるとなんだか急にドキドキしてくる。


まだ彼が本当に100位以内を達成できるかどうかもわからないのに、二人きりで出かけることを想像したら、そわそわして落ち着かない気持ちになった。