【完】キミさえいれば、なにもいらない。

うちの学年は全部で300人近くいるから、100位以内っていったら、割といいほうの順位だ。


彼の目標としては、ちょうどいいのかもしれない。


「なるほど。ちなみに前回の中間は何位だったの?」


参考までに聞いてみる。


だけど、そこで返ってきた彼の答えときたら。


「205位」


「……えっ、ウソでしょ!」


あまりにも100位からかけ離れている順位だったので、ギョッとしてしまった。


205位って……。それでいきなり今回100位以内なんて取れるのかな。


確かに彼方くん、最近数学は格段にできるようになったと思うけれど、100も順位を上げるなんて、私でも無理だよ。


「ほ、本気で言ってるの……?」


確認するようにおそるおそる問いかけると、即座に「うん」と頷く彼。


「確かに俺、前回はちょっと勉強サボってたから順位悪かったけど、今回はマジ死ぬ気で頑張るから」


そう言われて考える。