スタイルが良くて目立つから、遠目に見てもすぐわかる。


容姿が整っているせいか、明らかに一人だけオーラが違って見えるし、なんていうかキラキラしてるし、あんな人が私のことを好きだなんて、いまだに嘘のようで信じられない。


「マジ今日の購買激戦だったよな~。売り切れるの早すぎ」


「へへっ。俺、コロッケパン残り一個ゲットしたもんね」


「それよりねぇ、どこで食べるー?屋上でいい?」


「いいよ」


彼方くんたちは手に購買の袋を持って会話しながら、こちらに向かって歩いてくる。その様子はとても仲が良さげでちょっとうらやましい。


やっぱり彼、友達が多いんだ。これからみんなで一緒にお昼を食べるところなんだろうな。


私は一人でいるのをなんとなく見られたくなくて、気づかれないように下を向いてじっとしていた。


すると次の瞬間……。


「あっ、雪菜!」