静かに手を合わせ、心の中で「いただきます」を言って食べ始める私。


だけどお喋りな璃子が隣にいないせいか、妙に静かに感じる。


いつもなら、私が自分から話さなくても璃子が勝手にペラペラと喋ってくれるのに。


ポツンと一人で食べるお昼ご飯は、思っていた以上に孤独で、なんだかすごく寂しい気持ちになってしまった。


変なの。私ったら、一人で過ごすのなんて、慣れてると思ってたのに……。


あらためて璃子の存在のありがたみを実感する。


そういえば璃子、風邪は大丈夫なのかな。あとでメッセージ送ってみようかな。


「ぎゃははは！」


するとその時、向こう側の渡り廊下から賑やかな笑い声が聞こえてきた。


ちらっと目をやるとそこには、楽しそうに会話をする派手な男女のグループが。


あれは確か、一組の人たちだ。


……あっ。


そしたらその中にふと、彼方くんの姿を見つけて。その瞬間、私は思わずドキッとしてしまった。