――キーンコーンカーンコーン。


昼休みを告げるチャイムが鳴ると、教室が途端に騒がしくなる。


みんなお昼を食べようと誘い合ったり、学食や購買へ向かうため教室を出て行ったり。


そんな中、私はちょっとしたピンチに陥っていた。


カバンの中から取り出したお弁当を手に持ち、席でボーっと立ち尽くす。


実は、今日は璃子が風邪で学校を休んでいるんだ。


昼休みはいつも、璃子と二人、学食に行くか、教室や中庭で一緒に食べている私。


だから、璃子が休みとなると、一緒に食べる人がいなくなってしまう。


べつにクラスに溶け込めていないというわけではないけれど、このクラスになってからは、璃子以外に特別仲のいい子がまだいないので、急に誰かを誘おうにも、相手が見つからない。