そう言うと、私の机に頬杖をつきながらこっちをじーっと見つめてきたので、思わずドキッとしてしまった。


「えっ」


好きな子って……。


「雪菜は、前の髪型とどっちが好き?」


顔を覗き込むようにそう問いかけられて、少しドキドキしながら答える。


「わ、私は、今のほうが爽やかでいいと思うけど……」


「ほんと?じゃあ、やっぱり切ってよかった」


すると彼は、嬉しそうにニコッと笑うと、私の髪にそっと触れてくる。


そのまま再び至近距離でじっと見つめられて。


「雪菜もその髪型、すげー似合ってるよ。今日もめちゃくちゃ可愛い」


「……っ」


ちなみに私は最近ずっと髪をハーフアップにしていて、今日もお母さんからもらったあのバレッタを付けている。


彼方くんがこの前拾ってくれたバレッタ。


だけど、彼方くんはこの髪型を気に入っているのか、いつも大げさなくらいに褒めてくれるから、すごく恥ずかしい。