「キャーッ!今の見た?彼方くんがクシャミした!」


「クシャミのしかた、超可愛いんだけど~!」


ちなみに彼方くんは髪を切ったのが好評らしく、最近ますます女子人気が上昇したんだとか。


クシャミをしただけでこんなに騒がれる彼も、大変だなと思う。


「相変わらず女子に大人気だね」


私が声をかけると、彼方くんはケロッとした顔でうなずく。


「んー、まぁ。なんか俺さ、髪切ってからかな?最近前より女子に告られる回数が増えたような気がするんだよね。あ、もちろん全部断ってるけど」


「へ、へぇ……大変だね。って、彼方くん、モテるの自分で自覚してるんだ」


「え?うん」


謙遜するでもなく、サラッと認めてしまう彼に、ちょっと驚く私。


モテる人ってそういうものなのかな?なんか、うちのお兄ちゃんみたい。


「なーんてね。ははっ」


そしたら彼はイタズラっぽく笑って。


「でも、べつにいくらモテても意味ないけどなー。好きな子に好きになってもらえないとさ」