【完】キミさえいれば、なにもいらない。

「……はぁ」


図書室のカウンターに一人座りながら、ため息をつく。


今日はいつにも増して図書室の利用者が少なくて、何人か本を借りにくる人がいたものの、今現在は私以外誰もいない状態。


まるで、世界にポツンと私一人だけ取り残されてるみたいだった。


静かすぎる空間に一人でいると、また余計なことばかり考える。


今日あった嫌な出来事をまた思い出したりして。


ネガティブ思考が止まらなかった。


つられて過去の嫌な記憶がよみがえってくる。


さっき陸斗先輩と久しぶりに話したせいかな。


『雪菜のことは、大事な妹みたいに思ってるよ』


今でも覚えてる。あの時の彼の言葉。


『可愛いんだけど、なんていうか、真面目すぎるんだよね。読書が趣味みたいな子だしさぁ』


『やっぱり付き合うのはないなって。俺はもっと甘えてくれるタイプが好きだからさ』


バカみたいに信じて裏切られた、あの時の感覚。


私はあの失恋以来、もとから自分に自信がなかったのが、さらに自信を無くしてしまって、コンプレックスの塊みたいになってしまった。