「ウソッー!あんな地味で真面目そうな子?よりによって何であんな子が?」


「意味わかんないよねー。どこがいいんだろ。いつも席に座って本ばっか読んでるらしいよ」


「うっわー、マジで?なにそれ、暗いんだけどー。超つまんなそうな女じゃん」


彼女たちは次々と、聞こえるように悪口を言ってくる。


突然の心無い言葉の数々に、ブルブルと手が震えてきた。


それにしてもビックリ、というか、ショックだ。


私、こんなふうに噂されてたなんて……。


さらに彼女たちは続ける。


「彼方くん、最近急に読書とか始めちゃってなんか変だと思ったら、あの女に洗脳された?」


「うそ、やめてよ~」


「おとなしそうな顔して実は男好きなんじゃないの?」


な、なにそれ……。


「やだ~。でもまぁ、からかって遊んでるだけでしょ。彼方くんがあんな子に本気になるわけないし」


「うん、ありえない。どうせ次の彼女できるまでの暇つぶしだよ」


「だよねー!あははっ」