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「はぁー!この映画、面白かったね!」


私は誰にも入院していることも、脳の腫瘍のことも告げていない。


知っているのは、御門さんと夏咲さんだけ。


家族にも言ってないし、その方が後腐れないけど。


病室で映画を見終わり、夏咲さんが笑う。


一人部屋だから、騒いでも問題ない。


夏咲が帰ったあと、寂しくなるけどね。


「次はどの映画見よっか?」


なんて、話してた時。


「ー夏咲」


御門さんがやって来て。


「御門」


「なぁ、」


「ん?」


「哀華ちゃん、すまん!!」


深く、頭を下げてきた。


「今すぐ、どこかに隠れて!」


「えっ!?」


「來斗に掴み掛かられて、思わず、漏らしちまった……病気まではいってないけど、撒いてきたけど!時間の問題だ」


……嘘でしょう?


あと、2週間。


あと2週間で、あなたは自由になれるんだよ?


どうして、私を探してるの?


混乱していた時、響く大好きなあなたの声。