世界一きらいな彼


「ふふふ。そんな不安そうな顔しないで。頑張ったらご褒美に夜ご飯めいの好きなお肉食べに行こ。」

「…お肉…食べたい…」

「じゃぁ、頑張ろう。はい、あーん」

そうまんまと上手く流されて、恐る恐る口をあける。

治療中の歯の仮の蓋がとられるのが分かる。

「…んー、まだ膿引かないね。今日もちょっと痛いけど頑張ろう。」

その言葉と同時にカズくんがまた体を拘束してくる。

「ねぇ!これ本当にやだ!泣」

「だってそれないとめいまた暴れるでしょ?」

「暴れない!」

「そんなに興奮した状態で言われても信用できないよ。ちゃんと安全に治療だするために、今のめいには拘束が必要なの。分かるよね??」

ごもっともなこと言われて、なんも言い返せないよ。