世界一きらいな彼


「ほら、ちょっと頭上げて」

どこかへ行った亮くんが戻ってきたと思ったら、一瞬にしてなぜか亮くんが私を覗き込んでる。

どういう状況かというと、亮があぐらをかいた足の上に私の頭があって…いわゆる膝枕みたいな…??

状況が理解できなくてぼーっとしてると口の中に何かをつっこまれた。

それで一気に目がさめる。
…そう、歯ブラシ。

「んっ!!」

びっくりしていきなり起き上がろうとするけども手であっけなく制御される。

「歯磨きしてあげるから、大人しくお口あけて。あーんって」

「いや!ムリ!歯磨きくらい自分でする!!!」

「何焦ってるの、今さら。もう全部見てるんだから。磨き残しも多いなって思ってたし、たまにはしっかり磨かないと。」