スマホを出して、ラインで電話をかける。

相手は木村亮。

今は昼の12時。
仕事中で出ないと思うけど、もしかしたらお昼休憩に入ってるかも。

自分でかけて起きながら、亮くん出ないでと矛盾する気持ちもある。

プルルルル。

何度か呼び出し音が流れるたびに心臓がばくばくしてくる。

「…はい、もしもし。」

電話越しに優しい亮くんの声が聞こえてきて、何故かいきなり涙が溢れてくる。

「…うっ…グズんっ」

「…めい?泣いてるの??どうした??」

亮くんの焦ったような声が響く。

「…んっ…」

「…あのさ…もしかして、この前のこと気にしてる??」

「…ふぇ??」

いきなりよく分からないことを言われて変な声が出る。