世界一きらいな彼


-カズサイド-

「先に虫歯チェックだけしてもいい??」

どうせ亮はまだ手話せないだろうし、検診だけしておくか。

「…痛くない?」

「痛くない、約束する。」

そう言い、メイを安心させる。
頭を下げてライトをつける。

「はい、お口開けて。」

意外とすんなりと口を開けてくれた。

ミラーを入れて、隅から隅まで虫歯がないかチェック。

こりゃ案の定虫歯だらけだな。
全然磨けてもいないし…これは時間かかるだろうな…

そしておそらく、1番の問題と思われる虫歯を発見。
これが原因で歯医者来たのか…。

うん、これはダメだ放置しすぎ。

怒りたくなるけど、きっと亮にも怒られたんだろうし、これからの治療が大変になることを想像して、ぐっと我慢した。

「はい、お口閉じていいよ」

「…虫歯いっぱいある…??」

泣きそうな顔で不安そうに聞いて来るメイ。ここで嘘ついても仕方ない。

「うん。たくさんある。ちょっと時間かかるかもね。」

そう言うと、分かりやすくしゅんと落ち込むメイ。


「ごめん、お待たせ!」

前の患者の治療が終わった亮がやっと来た。