世界一きらいな彼


-亮サイド-

「まさきくん、もう少し大きなお口あけるよ。カバさんみたいに。あーん。」

「やだやだやだー!!!泣」

5歳のまさきくんの治療に苦戦中。
まぁ、小さい子はみんなこんなもんで、扱いには慣れてる。

うまく子供が好きそうなキャラクターとか使いながら機嫌をとって治療を進める。

ふと顔を上げて受付の方を見ると、たまたまトイレに向かうめいの姿が見えた。

もうそんな時間か。
ちゃんと来てくれたんだな。

というか…めいの今の一瞬の顔で分かったけど、あいつ絶対に緊張してる。

このまま待たせて置いたら逃げられる気がする…

そう思い受付の子に声をかける。

「今トイレ行った子、なんか変なことしてない??」

「変なことというか…さっきから落ち着きはないですね。ウロウロ動いたり…緊張してそうでした。」

それを聞いて、まだまさきくんの治療に時間はかかるけど、もう中で待ってもらうことにした。
逃げられたら困るし。