世界一きらいな彼


-めいサイド-

治療室のドアを開けると、一気に緊張しだす。
今になって歯の痛みよりも治療の恐怖が勝ってきて、逃げ出したいという気持ちが浮かんでくる。

「ほら、ここに座って。自分から来たんだからまさか逃げないよね??」

1番奥の椅子をトントンと叩きながら、冷たい声が響く。亮くんに私の気持ちはお見通しのよう。

もうここまで来たら腹をくくるしかない。

ゆっくりと椅子の前まで行く。
明日の周りには、見たくない機械がいっぱいあって一気に緊張する。

深呼吸して椅子に座る。

無言でエプロンをつけられる。
怒っている亮くんだけど、エプロンをつけて、私の髪の毛に触れる手はすごく優しくて、やっぱり亮くんを信じようという気持ちになる。