「はあ……」


私はさっきから、何度目か分からないため息をする。


「凛、どうしたの?元気ないね」

「夢……」

大好物のポッキーを口にくわえながら、私に声をかけてきたのは。


笠原夢(かさはら・ゆめ)。

奈美と同様、高校1年生の時に知り合って仲良くなった。

夢とは、高校3年間ずっと同じクラスで。


今ではお互いなんでも悩みを打ち明けられるほどの仲良しだ。


「そうだぞ凛。あまりため息してると、幸せが逃げるぞ?せっかくの美人が台無しだ」


「はいはい……」