「ヒサメ!右や右!」

「分かってる!」

「って、ヒサメ!直進してどーする!」

「ハンドル回すんだろ!
こうか?」

「あーーー!」

(そっちは左や..バカヒサメ..)

瓦礫に直進..

「あーー!もう!
これ絶対走った方がいいヤツや!」

「はぁ、最初からそうしとけば..」

ヒサメは大きなため息をつく

まぁ、そんなことは気にしない

なんでもポジティブ!それが1番や!

「いくで!」

「おい!どこに行くんだ?」

「んー、とりあえず学校行ってみよ」

「人がいるかもしれないな..
行ってみるか」

私達は学校へ走り出す

学校を出たとき先生達は学校にいたはず..

生徒も部活や日直で残って..

目頭が熱くなる

泣くな泣くな

私にはヒサメがおる!

大丈夫..みんな無事にきまっとる!

それからは走って走って

息が切れかけた所で学校についた

「ヒサメ..速すぎ..」

ヒサメは私に合わせてたからか

涼しい顔で立っている

「大丈夫か?」

「ふぅ、大丈夫や..
それより人は?」

顔を上げると校舎は何とか形を保っていた

「ヒサメ..なんか静かやな..
人ひとりいない感じや.. 」

「そんな..一人ぐらいいてもいいだろ」

見ればヒサメも呆然としてる

きっと誰かいると思って..

「はいはーい!
そこのお二人さん♪」

私達は一斉に振り向く

そこには

誰もいなかったはずなのに

スーツを着てにこやかな笑顔を浮かべる

男が立っていた

「こーんにちは」