9人でのバケーションを終え、新学期も始まり、カレンダーは10月になっていた

「アニキ~ 今夜ご飯食べる?」とリビングにいるガクに声を掛ける姫花

「あ~ いいや 今夜は編集長とメシ食いにいくから」とガク

「せっかくサンマをお取り寄せしたのに~ 今夜はヒナもいないし、どうしよっかな~」と姫花は宅配便で届いた沢山のサンマを冷蔵庫にしまいながら考えていた

「りんと咲ちゃんでも呼べば?」とガク

「ん~ あの子達、仕事じゃないといいけど・・」と言いながら姫花はキッチンを後にした

そして、結局、りんと咲と連絡がつき、一緒にサンマを満喫することになったのだった

「わぁ~ すご~い コレ姫ちゃんが作ったの?」と咲

「作ったって程のものじゃないけど・・」と姫花

食卓には サンマの刺身、サンマご飯、サンマの塩焼きに潮汁が並んでいた

「サンマばっかりで、ごめんね・・」と姫花

「ソレを食べにきたんだから! サンマご飯も生姜が効いてて美味し~」とりん

「本当、脂がのってて本当においしい」と咲

「よかった! せっかくお取り寄せしたのに、アニキもヒナもいなくてさ~ 新鮮なうちに食べなきゃもったいないもんね~ やっぱ、食欲の秋だもんね!」と姫花

三人は、サンマづくしな夕食を満喫し、食後は、リビングでりんと咲が持ってきたクッキーを食べることにした

咲は、さっきまでガクがリビングで読んでいた雑誌に手を伸ばし、パラパラと見始めた

「この人・・知ってる?」とあるページで止まった

咲の開いたページにいたのは、韓国の若手モデル

最近、俳優もしだしたらしい

「今度、日本デビューするらしいんですけど、この前、偶然スタジオで一緒になったんだよ 日本語もペラペラでびっくり! でも、仕草もスマートでかっこよかった~ 絶対日本でも売れるとおもう」と咲は雑誌に視線を落としたまま興奮した様子で話し出した

「・・・・・」無言の姫花

「・・で、何か話ししたの?」と遠慮がちなりん

「【姫☆組】を見てくれたみたいで、向こうから話しかけてくれたんだよ!」とそんなりんに全く気がついていない咲