「遅くなんてない・・ 」賢次は立ち上がって、龍馬を見下ろした

「BXの22時の生放送にでるから お前もな」と潤也も立ち上がり、龍馬に手を差し出した

「え!?」

状況の飲み込めない龍馬は、二人を見上げた

「日向さんと、潤也、がっくんも出る・・ 姫花も出たほうがいいんだろうけど、あの状況じゃ無理だと思う・・ 今回のスキャンダルの真相を話すんだ」と賢次

龍馬はふたりをしばらく見ていたが

「わかった」と言い、潤也の手を取り、立ち上がった

「よし、失敗は許されない・・ がっくんと日向さんも待ってるから、行こう」と賢次はテラスを後にした

それに、潤也、龍馬と続き、三人はそのまま校門を出て行ったのだった

大倉家に着くと、リビングにガクと日向が座っていた

姫花は、ホームドクターに往診に来てもらい、部屋で点滴を打ち寝ていた

龍馬は、ガクと日向を見ると、深く頭を下げた

「すみませんでした」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

頭を上げようとしない龍馬をしばらくみつめるだけのふたり

本当は、1発くらい殴りたいと思っていた

独りよがりな引退表明のおかげで、どんどん絡まっているこの状況・・

しかし、龍馬を目の前にして、そんな気は失せてしまっていた