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「ね、梨乃。早苗となんかあった?」

少しマネの仕事も落ち着いた頃、三宅先輩は私にそんな事を聞く。


「やっぱり…鋭いですね。」


「先輩なめてもらっちゃ困るな。」


「ちょっと喧嘩…みたいな。
好きな人が同じ…みたいな。」


何となく言葉を濁す。


「やっぱり!うち絶対そうだと思ってた!」


急に声が大きくなる先輩。
予想的中で大喜びみたい…


「やっぱり。鋭いですね。」


「うん。功君でしょ?
あ、早苗…その箱たち職員室まで届けてくれない?」


先輩は少し離れたとこにいる早苗に指示をする。


そのダンボールはかなりの大きさと量がある。

「え、先輩。あれどう見ても一人で運べないですよ?」



「だーかーらーだよ。
ほら、行っておいで。」



もしかして…
仲直りの機会を…作ってくれたの?


「先輩…。」


私が感激していると一度ニコリと笑って私の背中を押す。


「じゃ、頑張ってね!」


そう言って。



なんて素敵な人なんだろう。
なんて気遣い上手な人なんだろう。

私は先輩を心底尊敬した。