すると、体育館に付いている更衣室の方から聞こえてくる賑やかな声。



周りにいる女子バレー部や、マネージャーの子たちも、

黄色い悲鳴をあげる。


その理由はとっても簡単。


功が、ウェアーに着替えて出てきたから。



確かに普段は長袖で隠れていてあまり見ない

白くて引き締まった腕。

胸元もV字だから、

少し色っぽかったりする。




これが私の幼馴染だから、
自分まで少し恥ずかしいような、嬉しいような。


でも、少し功が遠く感じるような。


「やっぱり功くん、かっこいい!
良いな、とばちゃんは幼馴染で。」


「そうだね。みんなとはちがう意味だけど、幼馴染で良かったと思うよ。早苗、本気で好き?」



「うん!そりゃもちろん。」



「そっか。」


本気で好きって、どういう感じなんだろう。

私には周りのカップルも、大人の真似したおままごとにしか見えないんだ。


本当の好きって…?



「じゃあ、梨乃ちゃんはボトルにお茶を入れといて、それで早苗ちゃんはそこに散らばってる着替えを片付けといて。」


『はい!分かりました。』


練習が始まれば、私たちも早速仕事にかかった。体験に来ただけなのに、こんなにハードなんて……



やり甲斐がありすぎて私にはここが楽園にしか見えないよ!




ふと目をやれば、どんどんボールにもなれ
チームに貢献していく功。


即座にボールを奪って、どんどん先輩にパスを回していく。



小学校以来だ。
こんな生き生きとした功を見るのは。


功は小学校の時もあまり自分からシュートを打ちにいかない。


ガツガツいかず、
自分は裏手にまわって努力する。


私はそんな功を尊敬してたりする。