「やめろ!」

校庭には多くの生徒。
「やめろ」という声が後を絶たない。
屋上には、ひとりの女子。その女子は今にも飛び降りそうだ。
そして屋上のドアには鍵がかかっているらしく、誰も屋上へは入れない。

ドォンッ

屋上に大きな音が響きわたった。

「待ってくれ!はやまるんじゃねぇ!!」

屋上のドアは蹴り飛ばされて、その奥にはドアを蹴り飛ばしたとみられる男子が立っていた。
その男子はズンズンと少女に近づいていく。

「なによ!近寄らないで!」

「断る!」

その男子は、女子の腕を掴んだ。

「待ってくれ、頼む」

「・・・」

その男子は、とても悲しい目付きで女子のことをみた。

「わかった」

「天宮。ありがとな」

その女子は、その男子と一緒に屋上を出た。

「鶴谷くん、なんで私を……?」