愛してるからこそ手放す恋もある


「今、佐伯さんを梨華って下の名前で…」

「ああ、梨華が、昨夜、梨華って呼べってしつこくてなぁ?」

「えっ私がですか!?」

私は何をやってんだ…
酔っていたとはいえなんと言う醜態…

「全然覚えてないのかよ?大変だったんだからな?酔っ払って寝た、梨華をベッドへ運ぶの!抱えたとたんゲロは吐くし」

全く覚えていないが、あまりの恥ずかしさに、出来るものなら直ぐ様穴を掘って入りたい。

「浩司!お前まさか?…」

「心配するな!なにも遣ってない。なぁ?」

同意を求められたが、答えようがない。

「今朝、同じベッドにいました。…が、何かあったかまでは…記憶ございません…」

「浩司!!」

「ふざけんな!!ちゃんと服着てただろ!?」