亜紀とそんな話をタラタラとしていたら、目的のカフェに到着した。

外観は古い家屋の雰囲気を残し、中はグリーンと白を基調にシンプルにデザインされた空間になっていた。

「外観とのギャップがいいよね」

亜紀は店内を見回しながら案内された席に座る。

グリーンと白の内装はとても清潔感があって気持ちがいい。

私達はカフェオレとその店の人気メニューのミルクレープを頼んだ。

ミルクの風味が濃くてとてもおいしい生クリームに2人で顔を見合わせて「おいしい」と叫んでしまう。

ミルクレープを食べ終えて、カフェオレをゆっくりと味わっていた。

「でさ、さっきの合コンの続きがあるんだけど」

急に亜紀が身を乗り出し小声で続ける。

「実はその合コンの会社っていうのが澤井ホールディングスだったんだってば」

「澤井ホールディングス?」

澤井さんの会社だった。

その名前を口にしただけで胸がドキドキと騒ぎ始める。

「でさ、あの澤井さんの話色々聞いてきたわよ。やっぱり社内でも超有名人だった」

「そうなんだ」

なるべく平静を装いながらカフェボールを口に付ける。