「それって…」

手元にある缶コーヒーを指差した俺に、
「…コーヒーがどうかしましたか?」

香西さんは恐る恐ると言った様子で聞いてきた。

彼女も何が何なのかよくわからないと言う顔をしている。

「君、コーヒーが飲めるの?」

そう聞いた俺に、
「ええ、好きでよく飲んでいます」

香西さんは答えた。

「あの、どうかしましたか?

コーヒーが飲みたいんでしたら、あげますけど…」

戸惑いながら缶コーヒーを差し出そうとする香西さんに、
「いや、そうじゃないんだ」

俺が首を横に振って答えたら、彼女は訳がわからないと言うように首を傾げた。

「あの…一体何があったんですか?

さっきから何がしたいのかよくわからないです」

彼女はもういい加減にして欲しいと言う顔をした。