更衣室のドアをガチャッと開けると、
「おっはよーございまーす♪」

大きな声であいさつをして、中へと足を踏み入れた。

それまで着替えをしていた社員たちが何事かと言うように、あたしに見てきた。

あっ、しまった…。

あたしは今日は“由真”じゃなくて“由菜”だ…。

いつもの調子であいさつをしちゃった…。

あたしはエヘヘとごまかすように笑うと、ロッカーへと足を向かわせた。

確か…3つ並んでいるうちの真ん中のところで、左から4番目のところにあるって…あっ、あった!

“香西”と名前が書いているロッカーのドアを開けると、そこにカバンを入れた。

へえ、これが制服か。

受付嬢の制服は、ほっこりベージュと丸い襟がかわいらしいシャツに膝丈まである黒のスカートだった。