「高崎さん、知らなかったんですか?」

話し終えたとたん、美都さんはそう言った。

「何をですか?」

それに対して僕は聞き返した。

「由真ちゃん、双子なんですよ」

美都さんが答えた。

「双子、ですか?」

「ええ、双子ですよ。

知らなかったんですか?」

「全く…」

初耳だった。

「それじゃあ、香西さんが話していた同じ顔の人は…?」

「由真ちゃんは妹の方なので、お姉さんの方ですね」

そうか、双子ならば同じ顔をしていても不思議はない。

美都さんから聞いたその事実に、疑問が解消された。

そうなると…僕は、お姉さんと一緒に過ごしていたって言うことなのか?

香西さんはコーヒーが飲めないけれど、お姉さんはコーヒーが飲める。

つまり僕は香西さんじゃなくて、お姉さんに恋をしたって言うことになるのか…?