「私はエミリー・ウォルターズよ、“エミリー”って呼んでちょうだい。

彼はミゲル、私の幼なじみなの」

彼女――エミリーに紹介されたので、
「ミゲル・グリーンバーグです、初めまして」

彼――ミゲルはかぶっていたハンチング帽を脱ぐと、ペコリと会釈をした。

「質問を戻すけれど、サーヤはどこからきたの?」

エミリーはもう1度聞いてきた。

「私は、日本と言うところからきました。

ここはどこなんですか?」

紗綾の質問に、
「ここは『マハリタ王国』って言うところよ」

エミリーが答えた。

「『マハリタ王国』、ですか…?」

聞いたことがない国だと、紗綾は思った。

「あなたが言っている“ニホン”ってどう言うところなの?

国なの?」

エミリーが聞いてきた。