「………あれ?」
月曜日。
誠と一緒に行こうと思い、誠と同じ時間に出たはずなのにいない。
もう駅に向かってるのかな?と思い駅に行ってもやっぱりいなかった。
別に聞くほどでもないしいいかと思い、同じ車両に乗る。
そして優斗の乗ってくる駅に着いたけど、そこに優斗もいなくて。
何かあったのかな?と途端に不安になった。
誠だけじゃなく優斗もいない。
これは偶然?
いや、そんなわけないと不安をかき消そうとするけど消えない。
モヤモヤした気持ちを背負ったまま、学校へ向かう。
私と会わないようにわざと時間を変えた…?
距離を置くって、優斗言ってた。
もしかしてこれもその一つ?
不安でならない。
その気持ちのまま教室に着き、ドアを開ける。
この時間はまだ人はほとんどいない。
その人が少ない教室で、真っ先に目に飛び込んできたのは……
「あ、沙織やっと来た。」
顔を嬉しそうに綻ばせる優斗の姿。
「………え?」
「待ってたんだよ。ほら、行こう。」
「え、ちょっ…?」
優斗に手首を掴まれ、引っ張られる。
自然と足は動くわけで。
教室を出る前、席に着いている誠と目が合った。
誠は『ほら見てみろ。』とでも言いたげな顔をしていたのを最後に、そのまま私は教室を出た。