独占したい、甘々に。【完】

「よしっ!さっさと終わらせるか~!…って、もうペンキないじゃん!」





そう言われ缶を覗くと中身が空になってしまっていた。





「ペンキってまだあったっけ?」


「うーん、もうクラス分はないから、外の作業室にならあるかな?」





確か作業室にならまだ予備があるって聞いてたけど…





「じゃあ、私取りに行ってくるわっ」


「あっ待ってちーちゃん!ペンキなら私が取りに行くよ!」





これくらいしか手伝えることないし、ちーちゃんのために何かしたい!





私は立ち上がろうとしたちーちゃんを引き留め、グッと親指を立てた。





「それは悪いよ!それなら私も一緒に行くし」


「ううん、大丈夫!それよりちーちゃんはここに残って他の人を手伝ってあげて?」


「うーん…分かった!さゆ、ありがとね」





ちーちゃんは申し訳なさそうに胸の前で手のひらを合わせた。