「美味しい~~」


緩む頬を押さえスプーンをくるくると回す私。



「マキ、甘いの好きだもんね。私はこういうちょっと苦い方が好きだけど」


そう言ってスプーンで自分のパフェを指すゆきの。


私が頼んだクリームたっぷりのパフェに比べ、ゆきののパフェはビターチョコで苦めのようだ。

このあと家帰って准一さんと顔を合わせるのも嫌だし現実逃避気味に先程の出来事を忘れるかのようにパフェを楽しんでいるとゆきのが口を開いた。



「ねぇマキ…私相談があるんだけどさ」

「何?」

「私、好きな人。出来たんだ…よね」


「本当に!」


視線を落としながら小さく呟いたゆきの。

思わず、大きな声を出してしまい周りのお客さんが振り返った。

すみません…と会釈してゆきのに詰め寄る。



「ゆき、好きな人って…西野くん?」


カッチャーン!


ゆきのは口に運ぼうとしていたパフェの乗ったスプーンを思いっきり落としたのだった。



「え…あの鈍感なマキでも気付いちゃうほどわかりやすいの?私って…」

「やだなぁ言うほど私も鈍感じゃないんだってば!」


あっはっはっはと笑いながらパフェを頬張った。