なぜか気になってしまうあの理事長。

教室に戻るまで、ホールを出るときも私はちらっと横目で教師らしき人達と話す理事長を盗み見ていた。



A組の教室につくと……ドアの前で私は固まった。

なんだこれ?


『お…あの子可愛くね?』

『俺は右の子のが好みかなぁ…』


ちらほらと聞こえてくる会話。

見る限り、男女の比率が明らかにおかしかった。

多分…7:3ぐらいで圧倒的に男子のが多い。


「ゆきっ…なんか男子多くない…?」


ドアの前で固まっている私の肩をポンポンと叩きゆきのはクラスの中を覗く。


「ホントだねー!さーてクラスでイケメン探しっ!」


相変わらずのゆきのはイケメンしか目がないらしく、さきほど私達の方を見てニヤついていた男子に愛想のいい笑顔を振りまいて、終いには手まで振ってるではないか。


さすが女王様体質。

親友よりイケメン探しが大事なの!?


置いてかれたくなくて私も後に続き教室の中へ入った。

じろじろ…見られてる。

思わずゾワゾワと体に寒気が走った。

いつも通りゆきのの隣の席に着いた私はクラスを見回した。