「危ないってどの危ないのこと言ってるの!」

「まだ高校生ってことよ」

「…………そっち」


ボソッと私は漏らす。

高校生ってことが心配だと?


それより娘の貞操についてはなんもコメントなしですか?

私は唇を尖らせお母さんを睨み付けた。


「今回という今回は絶対お母さんでも私にも譲れないことがあるの!年頃の娘とあんな大人を一緒に住ませるって意味解ってる?!」

「…なーんだっ!マキちゃん、そんなこと気にしてたの?」

「へ?」


いきなりテンションが上がり出す母親に拍子抜けした私。

思わず変な声が出てしまった。


「大丈夫よ。准一君だって立派な大人なんだから、高校生に手出すわけないでしょ~」


馬鹿ね、と微笑むお母さん。

…それ、予想でしょ?


「そっそうかもしんないけど、私が嫌なの!」

「大丈夫だってば。あの准一君よ?お付き合いしてる人一人や二人いるに決まってるわ。だから、マキちゃんは妹してればいいのよ。いい?ほら、さっさと荷物詰めて!」


なーんだ、なんだ~っと言いながらお母さんは手を上げて部屋を出て行く。


軽い…軽すぎる。

それぐらいしか思わないものなのか?

意識しすぎてる私は…おかしいの?