その夜、帰宅してから准一さんが帰ってくるまで膝を抱えてリビングに居座った。

一人の時間がとても長く感じる。


まだかな…准一さん。

お願い早く帰ってきて。


ぎゅっと服の裾を握り締めてただただ准一さんの帰りを待った。

その時、玄関の扉が開く音がして───…

慌てて玄関へと走った。



「ただい………って」


鍵を閉めて振り向いた准一さんの胸にダイブ。

ぎゅうぅぅとその体に抱きついて離れたくなかった。


「マキ、お願いだから靴だけ脱がさせて」


一旦離れることを余技なくされ私はしぶしぶ離れる。

そのままちょっと待っててと言われて廊下で待たせられることに。


着替えとか、そんなのどうでもいい。

今すぐ准一さんに抱きしめて欲しいの、安心させて欲しいの。

いつになくワガママな自分に嫌気が差したがどうしようもなかった。


ドアの前に立って准一さんが出てくるのをひたすら待つ。

すると中から「入っていいよ」と言われて私はすぐさまドアノブに手を掛けた。

中に入るとベッドに腰掛けた准一さんがいて、ポンポンと自分の隣を手で叩く。