「もう、信じられない!何なの急にあんなにベタベタになって!」
トイレのドアが閉まった途端にこれだ。
怒り心頭のご様子。
壁際に追いつめられて私に顔を近づける。
「ねぇ昨日凪となんかあったの?私にも話せないようなことがあったの?」
「なんもないって!ただスキンシップが激しくなっただけだよ」
凪君はゆきのや西野君にも"3日間限定恋人"の話はしないようだから、私も黙っておく。
そう言えば疑い深く私を見つめてくる。
「スキンシップにしてはアレはない。仮にもマキ、理事長なんてゆー素敵な彼氏がいるんだからね?」
わかってる?と聞かれて頷く。
わかってるよ…そんなこと、でもどうすることも出来ないんだもん。
弱音を吐いてしまいそうな気持ちを引き締めるように、手を握った。
「それに私っていじり甲斐あるって話してたから。きっとからかわれてるのよ」
「うーん…そういう感じならまだいいんだけど」
お願い、ゆきの。
3日間だけ、たった3日間だけだから何も口を出さないで。
私は目で訴えかけるようにして見つめる。
それが叶ったのか、それ以上は追求して来なくなり私達は教室へと戻るのだった。


