脳裏に過ぎった店員さんの言葉が頭の中でリフレインされて思わず手を払ってしまった。
私はおずおずともう一度手を差し出すと、次はしっかりと握られた。
今だけは…
この手を離さないでいてもいいかな…?
次にやってきたのは私がいつもお買い物しているお店。
可愛い店員のお姉さんたちが「いらっしゃいませ」とにこやかな笑顔を向けてくる。
吸い込まれるようにお店の中に入り私は目を輝かせた。
可愛い、可愛すぎる!
店内にある洋服を私の目にはフィルターが掛かっているらしくキラキラして見える。
今日着ている花柄のトップスもここのお店のものだ。
夏の新作を取り揃えたばかりのようで目に付いたものを片っ端から手に取ってみることにした。
「可愛いー…」
「イマドキの女子高生はこういうところで服を買うんだ?」
なんてちょっとオジサンくさいことを言い出すものだから思わず噴出した。
私の後をちょろちょろとついてくる准一さん。
手に取る服を見ては、なぜか私の胸元に合わせてみてううん、と唸る。
「似合わない?」
「いや、どれもいいんだけど…」


