先輩の言葉が俺にとっては一本の光の筋のようだった。

マキを好きでいても…いいのか。

気持ちに遠慮せず、素直に伝えてみてもいいのだろうか…


「今その子とは…」

「一緒に暮らしてるんです。親が二人とも海外に行ってしまって、俺が面倒みてる感じで」

「なんだと?お前それかなりオイシイ展開じゃないか」


ヤリたい放題だな、とサラリと下ネタを言って退ける先輩は強者だ。


「頑張れ。好きなんだろ?」

「…はい」


フッと微笑む先輩に俺も今までの雲掛かった気持ちが晴れ晴れしたような気分だった。




「あれー?伊緒ちゃんが食堂にいるなんて珍しい」

「こーらっ。ここでは理事長だろ?」


突如として現れた白金の制服を見に纏ったマキと同じくらいの年の子を見た時、伊緒先輩が言ってた全ての事実が繋がったような気がした。