いや、だが好きになってしまったものは仕方ない。
その気持ちは今痛いほどわかる。
そしてババンッと効果音が付きそうな雰囲気の中先輩は言い放ったのだった。
「しかももっと深刻な話をすると、その子は…俺と血の繋がった正真正銘の従妹だ」
「……は」
従妹?イトコ?義理でもない血の繋がった…
「それはまた…随分と禁断の道に足を踏み入れて…」
「待て待て。結果から言うと、俺はその従妹に対する気持ちは"好き"じゃなかったんだ」
「そうなんですか…」
先輩の話からいくと、従妹に対する気持ちはどうやら親の愛みたいなものだったらしい。
今その従妹は学園の生徒と普通に付き合っているだとか。
「お前はそういう親みたいな気持ちじゃないんだろ?しかもまだ義理っていう道が残っている。なら…頑張ってみてもいいんじゃないか?」
「先輩…」