これは…どうしようもない状態へと変わってしまったようだ。

顔の横に准一さんの腕があって…


「あのっ起きたいんだけど?」

「嫌だって言ったら?」

「どう考えてもおかしいでしょ~…」


手に指を絡ませてぐっと握られる。

私の手の平は手汗で大変なことになっているに違いない。

でも准一さんはそんなことお構いなしに強く握ってくる。


「おかしくないよ。俺はマキとこういうことしてて楽しいもん」

「わ、私は楽しくない!!」


そういうと准一さんはふっと目を細めて、私の手から手を離す。

その手は背中に回り、水着のホックの辺りに回った。

それを取られたら、この貧相な胸さえも露になってしまう…こんな明るいところで。

嫌な予感が頭の中を駆け巡りゾッとした。


もうダメ……!

そう思ってぎゅっと目を瞑った瞬間。


「何想像してるか知らないケド。マキの変態」

「……っ!??」


ぐっと背中を押されて体勢を起こされて…

耳元で准一さんが、そう囁いたのだった。


ヘンタイって…どっちが…!!

そんなこと考えてるのは准一さんの方でしょ!?

そう言い返してやりたかったが、言葉が出てこなかった。


「べべべべつに何も!」

「あはは、どもってる。冗談に決まってるじゃん」


ちゅっと頬に一回キスされて、お互いベッドから立ち上がる。


「見せてくれてありがと。いい夢見れそー」

「もうっ」


バスタオルをぐるぐるに巻かれて笑顔で部屋を追い出された私だった。