「そういえば…今月の下旬から夏休みだったな」

「そうだ、夏休みだ!」


パッと壁掛けのカレンダーに視線を移すと、7月の下旬に差し掛かっていた。


「うちの学園は先に夏休み。終わってからすぐに学園祭があるんだ」

「そうなんだ」


なんて考えながら海に行った時のことを思い浮かべていた。


「……どっか行くの?」

「え?!う、うん」

「噂の…えっと、」

「そう、ゆきに誘われたんだよね」


誰だっけ?とこちらを見てきた准一さんにゆきのの名前を出すと、そうそうと再びコーヒーを啜る。


「どこに?」

「海行かない?って誘われたの」

「高校生らしいな」


フッと微笑むと准一さんは私の頭をポンポンを撫でる。

何かと思って振り向くと、手招きをされた。

頭に疑問符を浮かべながらソファーへと移動すると、准一さんはテーブルに空のカップを置いた。

そして私の方へ向き直るとジッと見つめられる。


「……え?顔に何かついてる?」


そんな見つめられると恥ずかしい、と私は両手で顔を覆った。

そして私の頬を両手で挟むと真っ直ぐに視線が絡み合った。