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『マキ、好きだよ…』


そう言って私の額に唇を落とす准一さん。

すっと手を取られて握られて、ドキッと心臓が高鳴った。

背中に回された腕。

それを感じるだけで全身が火照ってくる。


「じゅ、准一さんっ…」

『俺だけのモノでいて…?』

「私も准一さんのことがっ……」


そう言い掛けた自分、だけどいきなり視界が真っ暗になった。



ゴンッという鈍い音ともに背中に走る激痛。


「痛ーい…」


目を開くとそこは見慣れた天井と、顔を横に向けるとベッドがあった。

どうやら私は、何かの弾みでベッドから落ちたらしい。


……なんだ、夢か。

“夢は現実のあらわれ”ともいうけど、あれは私が望んでいることなのかな。


それにしても、私。

なんちゅー夢を見てるんだ。

思い出しただけで恥ずかしくなって両手で顔を覆った。

すると、コンコンをドアをノックされて私はドアへと視線を向けた。


「おはよう、起きてる……ってなんでそんなとこに座ってるの?」

「い、いやっなんでもない!」


カチャ、とドアから顔を覗かせた准一さん。